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股旅記

下町にお寺に温泉、鉄道、御朱印、城めぐり、古い町並み。。。さすらいの記憶。

下町散策 恐れ入谷の鬼子母神


今日は台東区入谷にある真源寺(入谷鬼子母神)の紹介。朝顔市で有名なお寺。


このお寺は17世紀中ごろの創建。江戸市民たちの厚い信仰を集めていたようです。太田蜀山人は「恐れ入谷の鬼子母神、どうで有馬の水天宮 志やれの内のお祖師様」という狂歌を残しています。こんな言葉が出てくるほど、入谷鬼子母神は江戸市民に広く知られていたのですね。ちなみに朝顔市が有名になったのは明治以降のことらしいです。


入谷鬼子母神は地下鉄日比谷線の入谷駅からすぐのところにあります。
さっそくいってみましょう。









長い塀を辿っていくと、鬼子母神の入り口。けっこうこじんまりとしています。つーか狭い…なんで朝顔市のときにあんなに混雑するか分かった気がします。入り口を入るとすぐに本堂があるのですが、でっかい提灯が印象的。雷門を思い出します。









本堂の脇には絵馬がたくさんぶらさがっていました。
福禄寿が描かれているのは、この真源寺が下谷七福神に指定されているため。
有名な七福神巡りらしく、1月にはかなりの人が訪れるそうです。






入谷鬼子母神の塀の瓦には写真のような絵が描かれています。
左は家紋でしょうか??鶴が書かれていますね。右は恐らくザクロの実でしょう。
なんでお寺にザクロが??これは鬼子母神と深い関係があります。


「鬼子母神」は、もともと 古代インドの神話に出てくる夜叉(鬼女)のこと。
そして、鬼子母神に関しては以下のような伝説があります。

鬼子母神は もともと大変に多産な母で、1000人の子供を生み 育てていた。しかし自分の子供だけを溺愛し他人の子はさらって食べる「鬼女」でもあった。
これを見かねたお釈迦様は、こらしめるために彼女の末子を隠してしまった。鬼子母神は最愛の子供の姿が見えなくなったため、狂ったように探したがどうしても見つからない。 そこでお釈迦様に助けを求めた。
お釈迦様は「1000人の子供のうち 一人だけいなくても悲しむのに、おまえは人の子を食らっていた。 愛する子を奪われた親の胸中はどうだと思うか」と教え諭した。
自らの過ちに気づいた鬼子母神は、罪を償うため 永遠に子供を護ると誓った。
この誓いを基に子供を抱いて、天女の形をした鬼子母神は、安産・子育ての神として信仰されるようになった。



じゃあ、なんでザクロ??さらに話しは続きます…


子供を食べる鬼子母神を諭したお釈迦様は、ザクロの実を鬼子母神に渡し、「ざくろの実は人間の赤ん坊の味がするというから、この先、子供を食べたくなったらザクロの実を食べて、自分の子供がいなくなった時の苦しみ・悲しみを思い出すように」と言った。


こんなわけで鬼子母神とザクロには深い関係があるのです。
まさに、恐れ入りやの鬼子母神…ちょっと怖い話でもありますね。
真源寺の境内にはザクロの木も植わっています。



今度は朝顔市の季節にきてその様子をレポートしたいと思います!!
by hi-paddy | 2005-06-16 16:56 | 東京下町散策